『女子高生コンクリート詰め殺人事件』から学ぶ金儲けのテクニック【前編】

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金儲けテクニックの基本『ミスディレクション』

よくかせ詐欺師さぎしは、最初から「不正解」の選択肢せんたくししか用意しません。
「不正解1」と「不正解2」。
この中から、意図したほうを選ばせます。

詐欺師が「不正解1」をけなせば、獲物えものは「不正解2」を正解だと勘違さんちがいします。
詐欺師が「不正解2」をけなせば、獲物は「不正解1」を正解だと勘違いします。

しかし、どちらを選んでも「不正解」です。
この構図は、テレビ局や新聞社、政治家や官僚かんりょうなどが常用し、その成果は完璧かんぺき保証ほしょうされています。

日本では、自民党 VS 旧民主党(もしくは旧社会党)。
米国では、共和党 VS 民主党。
スポーツでは、阪神 VS 巨人 といったところでしょうか。

わかりやすい「二極対立」を演出し、獲物の性質に合わせて意図した「不正解」を選ばせる。
非常に「賢い」やり方ですね。

しかし、これを確実に成功させるためには、長い長い積み重ねが必要になります。
「どうでもいい部分」で獲物に何度も「正解」をつかませて信用させ、時にはギャンブル性を用いて獲物を中毒状態にしたところで、先ほどご紹介したテクニックを使います。

そう。選択肢を全て「不正解」で構成する。

『選択肢が多すぎると、人は迷って選べなくなってしまう』という有名な心理学的法則がありますから、用意する「不正解」の数は、多過ぎず少な過ぎず、といった「ちょうどいい塩梅あんばい」が求められます。

しかし、安心してください。
ここでさらなる「必勝テクニック」が存在しているのです。

獲物を確実にゲットする「必勝テクニック」

「オレオレ詐欺さぎ」と呼ばれるやり方は、もう二十年以上も名前を変えながら、その本質は変わらないまま存在しています。
その「きも」となっているのが、『獲物えものが正常な判断が出来ない状態に追い込む』ということです。
そこに選択肢を用意してあげれば、獲物は面白いように「仕掛けたわな」にまってくれます。

Marvelousマーベラス

この「必勝テクニック」を応用したものが、女子高生コンクリート詰め殺人事件で、韓国人ストーカーから依頼いらいされた少年たちが実際に用いた手法です。

アルバイト先からの帰宅途中、自転車をこいでいる「獲物の少女」。
その背後から「不正解1」がバイクで近づき、そして「獲物の少女」をり飛ばす。
蹴り飛ばされた「獲物の少女」は、突然の出来事にわけもわからず動揺どうようし、そこに転倒の衝撃しょうげきと痛みも加わって『正常な判断が出来ない状態』に追い込まれています。

そこで「不正解2」が颯爽さっそうと登場します。
「大丈夫?あいつ(不正解1)はキチガイなんだ。実は、俺もさっきナイフでおどされたんだ。あいつがまだ近くにいるかもしれないし、この辺は物騒ぶっそうだから、君の家まで送ってあげるよ。」

実際、つい今しがた「痛い目」にったばかりの「獲物の少女」。この足立区綾瀬あだちくあやせという場所は「犯罪の多発する危険地域」という話も有名です。
「不正解2」が言ったことは信憑性しんぴょうせいを帯びてきます。
さらに、「獲物の少女」は以前から韓国人ストーカーに付きまとわれていたという「積み重ね」が、ここでさらに「獲物の少女」の選択肢をせばめます。

大昔であるこの時代、スマートフォンはおろか、携帯電話すら存在していません。
警察に通報するためには、近所の家で固定電話を借りるか、電話ボックスを探して通報するという手段しかありません。

まして、「獲物の少女」は動揺どうようし、恐怖し、転倒した痛みにもさいなまれています。
周囲には人気ひとけがありません。

もしもあなたが「獲物の少女」の立場にいた場合、いったいどのような行動をとりますか?

運命の選択